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Hidenobu KUBO

ニッチ戦略

更新日:2020年2月29日


うなぎコーラ、わさびラムネ、カレーラムネ、抹茶サイダーといったユニークな清涼飲料水を製造している会社を知りました。木村飲料株式会社です。

100人のうち、97,8人が美味しいという商品を作っていては、売り場と原料をおさえている大手企業に勝てないから、残りの2,3人が興味を持つような商品で勝負しようという戦略のようです。ニッチ戦略といってよいと思います。

競争地位別の戦略を、リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャーの4区分で説明することがありますが、この会社は、ニッチャーだと思います。ニッチャーが生き残るために必要なことには何があるのでしょうか?

マーケティング理論の第一人者である、P.コトラーによれば、理想的なニッチには次のような特性があるとしています。(『マーケティングマネジメント 第7版』 p398 プレジデント社) 1.利益が出るだけの大きさと購買力 2.潜在成長力がある 3.大手企業があまり関心を持っていない 4.そのニッチに効果的に対応するスキルと資源を保有している 5.大手企業の参入を防止するだけののれん力がある カレーラムネについては、パーティでの「罰ゲーム」の需要などがあるようですが、このような需要は恐らく大手企業が関心を持つ分野ではないように思います。そうすると、3.は該当するように思います。

また、うなぎ、わさび、抹茶といえば、静岡県の特産品です。社長が自ら公言しているように、静岡のものを使って、地域を盛り上げるという活動は、地元メーカーならではということになるでしょう。一種のブランドと言えるのかもしれません。そうであれば、5.も該当するでしょう。

そして、これが一番重要だと思うのですが、市場を特定セグメントに限定して、ニッチとして生きていくためには、1.にあるように、そのニッチ市場の規模が自社の生き残りのために充分な大きさであることが必要です。

その点、社長は市場の2,3%で必要な売り上げは十分に確保できると言っています。 つまり、県内の清涼飲料水市場シェアの2%を得られれば、生き残れる(静岡大学岳陵会 平成26年度 連携講座 第14回)としています。そうであれば、1.も満たすことになります。

この会社の決算書を見たことがないので、実際はどうなのか不明ですが、一見破天荒に見えても、したたかに経営をしているのかもなあ、、と思いました。



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